三渓洞

 
美術用語集

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上野焼 (あがのやき)

豊前田川郡上野村の陶器。細川忠興(三斎)が慶長7(1602)年、朝鮮の陶工尊楷(日本名上野喜蔵)を招き、小倉城下に窯を築かせて始めたと伝えられる。

油絵(あぶらえ)

狭義には顔料を溶かす媒剤に油を使った絵具で描かれた絵画。日本画と対立した言葉として使われるが、日本画、洋画という区別は日本独自のもの。キャンバスや板、紙等に描かれる。最近は一つの作品に油絵具だけではなく他の絵具(アクリル、グアッシュ等)を使ったものも多く、技法としてミクスト・メディアと呼ばれたりする。

色絵(いろえ)

白い磁器の表面に釉薬をかけ1250~1300度の高温で焼いて無色のガラス状の皮膜をつけた後、赤、緑、黄などのエナメル絵具で絵付し、約800度で再び焼いて文様を施した磁器。色絵の技法は中国の明代に発達、江戸時代初期(17世紀初期)に日本に伝えられ有田、柿右衛門、色鍋島、九谷焼などの色絵磁器が製作され、有田焼(通称、伊万里焼)はヨーロッパへも輸出された。

薄茶器(うすちゃき)

 薄茶を入れる器。多くは漆器である。形は棗、中次、雪吹(ふぶき、吹雪ではない)などがある。

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柿右衛門(かきえもん)

17世紀後半に有田の酒井田柿右衛門が作り上げた有田色絵磁器のスタイルの一つ。濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色の器地に繊細な線で余白を生かした絵付を施すのが特徴。一時濁手の技法は途絶えたが12代柿右衛門が復活させた。

釜(かま)

釜は喫茶の風習と共に中国、朝鮮よりもたらされ、鎌倉時代には製造が始まったと考えられている。室町時代に茶の湯の隆盛に伴って盛んに作られるようになる。初期の有名な製造地として芦屋(筑前)、天明(下野)がある。室町末期には京都でも作られ、江戸時代には江戸、金沢などにも広がった。

唐絵(からえ)

広義には中国舶来の絵画。特に宋元の水墨画は茶の湯のための掛物として尊重された。室町幕府は盛んに宋元画を収集したが幕府の力が衰えると有力大名や豪商などに流出していった。足利義満、義教の蔵印のあるものが東山御物(ひがしやまごもつ)として伝えられている。作家として玉澗、馬遠、梁楷、夏珪、牧谿など。

唐津焼(からつやき)

佐賀県唐津地方を中心に朝鮮半島の陶器技術をもとに製作された焼物。開窯期には諸説があるが桃山時代から江戸時代初期にかけて最盛期をむかえ、鉄絵模様の絵唐津、斑唐津などが登場した。その素朴な味わいが茶人に好まれ「一楽、二萩、三唐津」と称される茶陶の代表的地位を確立した。

建水(けんすい)

 茶碗をすすいだ湯を捨てる器。金属、陶磁器、木地や塗の曲物(まげもの)がある。

古筆(こひつ)

古人の筆跡の中で特に優れたもの。室町末に武野紹鴎が藤原定家の小倉色紙を茶会に使い始めた。もともと巻物や冊子であったものを切って軸装したことから「~切」と呼ばれる。

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漆芸(しつげい)

漆を用いて装飾した美術工芸品の総称。漆塗、蒔絵、螺鈿、平文、漆絵、沈金、堆朱、鎌倉彫などが主なもの。漆を産する日本、中国、朝鮮、インドなど東洋独特の技術で、英語で漆芸品をジャパンという。中国では秦、漢時代から作られ、日本では奈良時代に基礎が確立して平安時代に日本独自の蒔絵が発展した。

志野(しの)

桃山時代より茶の湯の流行とともに美濃地方で焼かれた。志野は白い長石釉が厚くかかった無地志野が最も有名であるが、鉄釉で模様を描いた絵志野、白陶土を象嵌し黝黒釉をかけた後掻き落として模様をつけた鼠志野、鉄分の発色による赤志野、紅志野などある。

水墨画(すいぼくが)

北宋時代に中国で完成した絵画技法。墨の濃淡、線の強弱で山水や花鳥を描いた。我が国には鎌倉時代に伝来、室町時代に禅僧を中心に発展し、周文や雪舟が出る。

瀬戸黒(せとぐろ)

桃山時代より美濃地方でつくられた鉄釉陶器。真っ赤に焼けた作品を窯から引き出し、水につけて急激に冷やすことにより漆黒の色調を作り出すのが特徴。

染付(そめつけ)

陶磁器の装飾技法。素焼きした陶磁器の白い素地に呉須(酸化コバルト)で模様を描き、その上に透明釉をかけて高温で本焼きして藍色に模様を発色させた焼物。中国陶磁器の技法として生まれ、元時代に発展して「青花」とよばれた。日本には江戸時代初期に朝鮮半島より渡来した陶工によって九州の有田に伝えられ、その後瀬戸、京都など各地で製作された。

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棚(たな)

手前道具を置く棚の総称。台子(だいす)、大棚、子棚などがある。

茶入(ちゃいれ)

濃茶を入れる器を茶入という。中国舶来の唐物、日本製の和物、東南アジア製の島物がある。茶入も茶道具の中では格式が高く、桃山時代には戦功の恩賞として家臣に授けたりした。肩衝、茄子、文琳など様々な形があり、蓋は必ず象牙でつくられる。

茶壷(ちゃつぼ)

茶の輸送や保存のために、中国からの薬の容器であった大壷が用いられたのが始まり。雑器として使われていたものだが、侘び茶の流行により桃山時代には茶道具の中でも第一の道具とされた。日本では備前や信楽などで大壷が焼かれた。現在は茶道具の主役ではないが、高い格式を持つものとされている。

彫金(ちょうきん)

鋳造、鍛造された金属の表面を 鏨 ( たがね ) 、金槌等により彫 鏤 ( る ) 、象嵌して装飾した技法。仏具製作技術として発達し、毛彫り、蹴彫り、片切彫り、透彫り、高肉彫り、象嵌、 魚々子 ( ななこ ) 等の技法がある。室町時代からは後藤家に代表される装剣金工が発達したのち、装身具、置物等の各種の金工工芸に利用されている。

鉄釉(てつゆう)

第二酸化鉄を含んだ釉薬をかけ、窯のなかで焼成すると黒色・褐色に発色し、鉄分をさらに多くすると柿色に発色する。鉄釉は中国宋時代の曜変天目、油滴天目、柿天目茶碗などにおいて発展し、日本では鎌倉時代の古瀬戸に早い使用例があり、その渋い色調が日本人の好みにも合って以後各地に拡がった。

テンペラ画(てんぺらが)

油絵以前に行われていた画法。卵黄に酢を加えて練ったもので顔料を溶いて描く。

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日本画(にほんが)

明治時代から使われる言葉で、広義には日本人が描いた絵画の意味だが、実際には江戸時代まで伝わってきた歴史的な日本の技法、形式、様式に立脚した毛筆画のことをさす。油絵と対立した意味で用いている。膠水で顔料を溶いた絵具を使う。主に絹と紙に描かれる。

日本刀(にほんとう)

日本独自の特徴を持った刀剣。国産の砂鉄を使いたたら製鉄によって玉鋼を作り、その鋼を折り返し鍛鉄する。硬い「皮がね」と軟らかい「心がね」を組み合わせること、土置をして焼入れをすること、などが特徴である。研ぎ上げた刀が美しい地文や刃文などを見せ、武器としてだけでなく美術品として古来より賞翫されてきた。平安時代後期に作刀技術は確立された。

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萩焼(はぎやき)

江戸時代初期、現在の山口県萩市に開窯された。高麗茶碗の強い影響が認められる。江戸時代には長州藩毛利家の藩窯として特別な保護を受けつつ製作され、そのやわらかな作風は茶陶の優品として知られた。明治時代には藩の保護が無くなり窯も危機におちいったが、その後、10代三輪休雪(休和)が独特の白釉を完成し、現代の萩焼に画期的な展開をもたらした。

備前焼(びぜんやき)

備前焼の窯場のある岡山県伊部地方の焼物。室町時代に壷、擂鉢など日常陶器の生産がおこなわれ、桃山時代以降は茶陶も多く焼かれた。釉薬を用いず、茶褐色に焼き締められた焼物は、その土味、炎による自然の変化が「わび」の美意識に適うものとして茶人たちに愛好された。

蓋置(ふたおき)

釜の蓋をのせる道具。金属、陶磁器、木竹などの種類がある。

フレスコ画(ふれすこが)

西洋の壁画技法。漆喰を塗って乾ききらないうちに、水彩絵具で描く。乾くと絵具が強く定着する。アッシジなどの古い教会の天井壁画はこの技法で描かれている。

風炉(ふろ)

釜をかけて湯を沸かすために使う。材質として唐銅(からかね)、鉄、土、板風炉がある。5月から10月までの期間に使う。

墨蹟(ぼくせき)

広義には筆跡のこと。茶道では特に中国の宋元の高僧、日本に帰化した名僧、日本の禅僧たちの筆跡のことをいう。

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蒔絵(まきえ)

漆で模様を描き、金銀錫粉、色粉等を蒔きつけて絵様を表したもの。普通漆塗りの上に施すが、木地その他にも応用できる。技法として研出蒔絵、平蒔絵、高蒔絵の三種が主。また螺鈿、平文、切金など、他の装飾との併用もよく行われる。梨地、沃懸地は絵様の地の部分に施す蒔絵である。

水指(みずさし)

手前の中で釜に足したり、茶碗をすすぐときに使う水を入れる器。室町時代には使われていた。初めは唐銅や青磁など中国のものが多かったが、桃山時代に入り、各地で様々な陶製、木製の水指が作られた。

名物裂(めいぶつぎれ)

掛軸の表装や茶入の仕服(しふく)にも中国からの裂地(きれじ)が使われた。織物の種類は金襴、銀襴、緞子、間道、錦など様々ある。

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螺鈿(らでん)

貝殻を磨り平らにし、模様に切り漆器或は木地に装飾したもの。一般に薄貝を用いたものを「青貝」厚貝を用いたものを螺鈿と称する。

炉縁(ろぶち)

囲炉裏の縁にかけるもので大きさは一尺四寸(42.4cm)四方、高さ二寸二分五厘(6.8cm)が原則。木地縁と塗縁がある。